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・最近カラーしてたら頭皮に痛みがある・・
・でもカラーはやめられないから我慢するしかないかな?
・それとも他に方法があるの?
このような疑問に答えていきます。
✔︎本記事の内容
・ヘアカラーで頭皮が痛いのはなぜか
・ヘアカラーで痛みを起きにくくする方法
・ヘアカラー以外の方法
✔︎本記事の信頼性
この記事を書いている僕は、
美容業界歴9年ほど
✂︎ヘアケアマイスターミドル取得
ヘアケアマイスターとは、
「ヘアケア知識が豊富でお客様の毛髪診断が正しくできそれに対する処置・アドバイスが正しくできる」美容業界の資格。
ヘアカラーで頭皮が痛いのはなぜか
カラーの時の「痛み」は当たり前ですがヘアカラー剤による感覚的な刺激によるものです。
もし美容室でのカラーで「頭皮がすごく熱い」と感じたらすぐスタッフさんに遠慮なく伝えましょう。美容師だったらすぐに対応します。
通常はカラーした時の刺激はカラーを流した後に引くので問題ありません。しかしカラー後も刺激が続いたり、数日後に「かぶれ」が出たりするとそれはアレルギー反応が起きています。
髪を明るくするアルカリのカラー剤には「アルカリ」や「ジアミン」「過酸化水素」という成分が入っていてこれらが主にアレルギー反応を起こし頭皮に「痛み」や「かぶれ」として現れるのです。
この「かぶれ」には以下の2種類があります。
・非アレルギー性のかぶれ(一次刺激性接触皮膚炎)
・アレルギー性のかぶれ(アレルギー性接触皮膚炎)
①非アレルギー性のかぶれ
頭皮に限らず皮膚が敏感な方や皮膚のバリア機能が弱まっている方が赤み・痛みを起こします。
カラー剤に限らずシャンプーやトリートメント、化粧品でも起こりますが薬剤をつけてわりとすぐに反応し、治りも比較的早い特徴があります。
②アレルギー性のかぶれ
先ほど挙げた「アルカリ」「ジアミン」「過酸化水素」などが引き起こします。
最近は「ジアミンアレルギー」などが有名です。正式には「パラフェニレンジアミン」といいたくさん種類があり、主にヘアカラー剤の1剤に含まれています。
<現在アレルギー反応を起こす例が特に多いジアミン>
・パラフェニレンジアミン
・硫酸トルエン2.5ージアミン
・パラアミノフェノール
花粉症と同じように許容量を超えてしまうとアレルギーがでて、この先カラーをするたびにアレルギーが出つづけることになります。
カラー後、半日くらいでかゆみを感じてかぶれも出て48時間後に最もひどくなるようです。まれに呼吸困難や意識障害などの重いアレルギー反応を示すこともあるので注意が必要です。
※僕が働いているお店でも過去にカラー中にアレルギーで体調が悪くなりすぐ流しても治らずしばらく安静にしていただいてからお帰りになられたお客様がいらっしゃいました。
③アレルギー反応が出た時の今後のカラーについて
ヘアカラーの症状については「hoyu(ホーユー)株式会社」が分類している以下の表をご参照ください。
分類 | 非アレルギー性のかぶれ (刺激性接触皮膚炎) | アレルギー性のかぶれ (アレルギー性接触皮膚炎) |
症状の出るタイミング | 染毛中~染毛直後 | 染毛半日~数日後 |
症状 | はれ・赤み・ブツブツ・痛みなど | かゆみ・はれ・赤み・ブツブツなど |
次回のヘアカラー | 使用不可
ただし皮膚科医から
問題ないと判断された
時は使用可能
|
使用不可
繰り返し使用すると
重い症状に!
・全身じんましん
・呼吸困難
・血圧低下による
意識障害
など |
[参考元:hoyu(ホーユー)株式会社 ヘアカラーによる「かぶれ」とは]
このように「非アレルギー性のかぶれ」「アレルギー性のかぶれ」は皮膚科医から問題ないと判断された時を除いて次回のヘアカラーは使用不可になります。
<パッチテスト(皮膚アレルギー試験)>
カラーをする1剤と2剤を少量混ぜて綿棒などで腕に薄く塗ります。30分と48時間の2回チェックしますが両方とも異常がなければヘアカラーはできます。
30分後、48時間後、もしくは途中で異常が起きたらただちにテストは中止してください。
またその場合ヘアカラーの今後の使用はできません。
さらに詳しい「パッチテスト」の方法は以下にあります⬇︎
政府広報オンライン ヘアカラーによる「かぶれ」に要注意!アレルギーが突然発症することも。
本来は毎回ヘアカラーをする前にパッチテストをすべきですが、
✔︎48時間かかる
✔︎48時間お風呂に入れない(塗った部位を洗わなければOK)
✔︎塗った部位は薄くカラーの色がつく
これらのデメリットが大きいので実施できるのが難しいのが現状です。
ですが「アレルギーが出やすい」「肌が弱い」など該当する方はヘアカラー前にテストをしましょう。
ヘアカラーで痛みを起きにくくする方法
美容室でもご自宅でもできる方法となっております。
①当日、前日はシャンプーしない
「美容室に行く前にシャンプーしなきゃ!」と思われるかもしれませんがカラーの時はむしろ前もってシャンプーしない方がいいんです。
それは「頭皮の皮脂がカラー剤から頭皮を守ってくれるから」
皮脂が多少あっても染まりには問題はありません。ご自宅でカラーするときも同様です。ただしワックスなどスタイリング剤はカラーに影響する可能性はあるのでつけない方が良いです。
②カラー用保護クリームや頭皮保護スプレーをつける
カラーのとき生え際に「色がつくのを防ぐ」「刺激から守ってくれる」保護クリームとカラーの刺激から「頭皮を守ってくれる」保護スプレーがあります。
美容室では基本的に使用していますし、市販用も売っていますのでご自宅でも使用可能です。
③ラップを巻かない
カラーの後にラップを巻くのはカラー剤の乾燥を防ぐためや頭皮の熱でカラー剤をより反応させて明るくする場合などです。
白髪などをしっかり染める時はラップを巻いた方が染まりやすいですが熱がこもり、しみたり痛みが出たりすることもあるのでしみやすい方はラップを巻かずに放置しましょう。
④ゼロテクニック(ゼロテク)で塗る
ゼロテクニック(以下ゼロテク)とはコーム(くし)などで根本ギリギリからカラー剤を塗ることで頭皮につけないようにする塗り方のこと。
ゼロテクは根元ギリギリから塗るので数ミリほどは塗れない部分ができてしまいますがしみたり、痛みを感じることがかなり少なくなります。
仕上がりも気にならないくらい自然にすることができるので「オシャレ染め」や「明るくしたい白髪染め」の方などにオススメです。
中々美容室に気軽に行けない今、ご自宅でカラーなどをする場合もあるかと思います。その時は今の4つ方法と髪自体の「ダメージ」にも気をつけてホームケアもしっかりとしてください。
以下の記事にホームケア法やトリートメントのやり方を詳しく書いています。
ヘアカラー以外の方法
以下で説明していきます。
①ヘアマニキュア
ヘアマニキュアは「酸性カラー」なので髪にほぼダメージを与えません。
しかしアルカリカラーと違い黒髪を明るくしたりはできません。白髪に色を入れたりブリーチ後に色味を入れるときなどに使用し、鮮やかな色味が出せるのが特徴です。(白髪を黒くすることもできます)
頭皮につくとすぐ染まり取れにくいので頭皮につかないように塗ることになります。染まるのは髪表面のみなので色もちは3~4週間程度で色落ちは早いです。
②ヘナ
ヘナカラーとは、ヘナの葉を粉末を水に溶いて着色を行う自然派のカラー剤のこと。
しかし植物性でもアレルギーを起こしてしまう人もいるのでやはりパッチテストをしてから染めるのが間違いありません。
ここで注意点ですが最近はジアミン入りのヘナなども出ているので100%ヘナのみで染めないとジアミンアレルギーの方はアレルギー症状が出てしまうことがあります。
③ノンジアミンカラー
ジアミンが入っていないカラー剤のことです。
ただし「アルカリ」は入っているのでそちらにアレルギーを起こす方もいるので注意が必要です。
しかしジアミンアレルギーの方は使えますし髪も明るくすることができるので画期的なものだと思います。ただ普通のアルカリカラーほど明るくはできない上にまだ色味が少ない難点もあります。
④カラートリートメント
色味の入っているトリートメントのことでアレルギー反応を起こすジアミンなどはほとんど入っていないのでアレルギーやダメージの心配はかなり低くなります。
白髪などは多いほど染まりづらいので1回ではなく何回も使うことで染まっていきます。
注意点は手が染まる可能性があるのでビニール手袋などを使った方が良いこと。また流したお湯が透明になるまでよく洗い流すこと。よく流れていないと衣服やタオルが汚れます。
いかがでしたか?
ヘアカラー以外だとどうしても髪を明るくすることはできませんが明るくせずに白髪を染めたいなどであれば美容師としては「ヘアマニキュア」を1番オススメします。
まとめ
→ヘアカラーで頭皮が痛いのはなぜか
✔︎「ジアミン」「アルカリ」「過酸化水素」などが頭皮を刺激するから
✔︎「非アレルギー性のかぶれ」と「アレルギー性のかぶれ」がありアレルギーが出たらそのカラー剤は二度と使用できない
✔︎アレルギーか確かめるにはパッチテストが必要
→へアカラーで痛みが起きにくくする方法
①当日、前日はシャンプーしない
②カラー用保護クリームや頭皮保護スプレーをつける
③ラップを巻かない
④ゼロテクニック(ゼロテク)で塗る
→ヘアカラー以外の方法
①ヘアマニキュア
②ヘナ
③ノンジアミンカラー
④カラートリートメント
それぞれ全てにメリットやデメリットがあるのでご自分に合ったカラー剤を使って長くヘアカラーを楽しめる生活を送りましょう。